水干絵具の溶き方
水飛胡粉の溶き方
膠液の作り方
日本画の技法 岩絵具で表現しよう
〜作品紹介〜
今日、私たちが使用している「日本画」という言葉は、明治時代に洋画(油絵)が日本に入ってきてから使用するようになりました。それまで日本で行ってきた絵画技術の一切を「日本画」と呼び、洋画と区別するためでした。
日本画のルーツは、遠く日本が「大和朝廷時代」を迎える頃に、遥かシルクロードから伝わった宗教画にあります。支持体も、岩から木、絹、紙へと変遷していきます。
「日本画」は、『手間がかかる』『専門の用具が必要』などと、学校現場で敬遠されがちですが、
ここで紹介する「日本画」の技法はすでに溶いてあり、顔料(一部染料)を溶くのに簡単な膠液を使用するため手軽で、鉛を含む顔料を水干絵具に置き換えているため、安全に取り組めるものです。
色それぞれが放つ「煌き」で描く、「日本画」独特の世界を気軽に楽しみましょう。
≪使うもの・道具≫
岩絵具12色セット
念紙
骨描き墨汁
透膠液
麻紙ボード SM判
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●時間の目安●●●●●●
スケッチ〜小下図・大下図作成 3〜4時間
書き写し 1時間
骨描き 1時間
着彩 4時間
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(1)モチーフをよく観察しながら、鉛筆でスケッチします。
モチーフの形や光の当たり方などを、よく観察しながら、リンゴとレモンの形状を掴みます。
※モチーフはりんご(アルプス乙女)とレモンです。
(2)小下図(こしたず)を描きます。
小下図で画面上の構図などを決定します。
デスケルを使用したり、手指で視角を作ると簡単に構図が決められます。
(3)大下図(おおしたず)を描きます。大下図は実際に描く画面のサイズと同サイズです。
主に輪郭線を描き、稜線(光と影の境目)の目安も描きます。
(4)念紙(ねんし)を用いて、大下図を麻紙ボールドに転写します。
念紙は、カーボン紙のように、下描きと写したい画面の間に挟んで使用します。
また、麻紙ボールドは、すでに【ドーサ引き】してありますので、下準備は必要ありません。
※チャコペーパーと似ていますが、かなり下書きが薄づきになる(日本画用)のものです。
また、チャコペーパーは油分があるため、日本画には適しません。
※【ドーサを引く】とは、にじみ止めを施すために、予め膠、明礬、を溶いたものを、支持体(紙、木など)に塗って乾かす作業です。
(5)骨描き墨汁を使用して、大下図より転写された線をなぞります。
骨描き墨汁は、水で2倍〜3倍に希釈して使用します。
この際、大下図の鉛筆の強弱などを参考にしながら、骨描きをすると、輪郭線だけでもリンゴの立体感などを感じられたりします。
墨汁がかすれやすいので、ドライヤーでしっかり乾かしましょう
(6)絵具を溶きます。
a.習作用岩絵具、透膠(すきにかわ)液、小さじ、絵皿、薄めの紙を用意します。
b.紙の上に岩絵具を少量のせます。
c.小さじで1杯すくい、絵皿に入れます。
d.透膠液も同量(小さじ1)を絵皿に入れ、指の腹でよく混ぜます。
粒の感触がなくなるように均一に混ぜましょう。
d.水も同量入れ、さらに混ぜます。均一になったら完成です!
(7)着彩します。
a.最初は背景から塗ります。絵具は放置すると、顔料が沈殿しやすいのでよく筆で混ぜて使用します。
平筆と彩色筆、面相筆を使い分けましょう。
薄い色、明るい色からおき→→→暗い色という流れで着彩します。
c.背景に調子を付けたい場合はスポンジローラーなどを使っても楽しめます。
d.レモンの下塗りをします。
e.リンゴを描き込んでいきます。
※赤は水干絵具(胡粉を水で溶き、染料を固めたもの)を採用しています。
そのため粒が大きく固いものが多いですが、指でつぶれない場合は、予め、
乳鉢などですりつぶしておくと便利です。
完成です!!
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